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平成16年5月28日

冷間金型用鋼=KD11S 「塑性加工学会賞技術開発賞」を受賞

 日本高周波鋼業(前野定弘 社長)の冷間金型用鋼であるKD11Sは、加工性の良さと金型の性能から、国内カーメーカー、大手金型メーカーから高い評価を得ているが、その根幹を成す 基盤技術が「耐摩耗性と疲労特性に優れた快削冷間加工用金型鋼の開発」として2004年5月「第39回塑性加工学会賞技術開発賞」を受賞した。
冷間金型の最重要特性である耐摩耗性と被削性の関係を研究し、この相反する特性を同社独自手法で両立させた材料で、同社の戦略鋼種に位置付けられている。
JIS-SKD11は冷間金型としての主機能である耐摩耗性を重視するため被削性は悪くても仕方がないとされてきた。この被削性改善に真正面から取り組み、耐摩耗性を維持しつつ加工性を飛躍的に向上させるという開発に成功したものである。
JIS-SKD11の炭化物サイズ、分布と耐摩耗性、被削性の関係を解明し、化学成分と製造プロセスの改善により開発したため、主要特性がSKD11と類似し、かつ被削性のみ優れる事がこれまでの技術とは異なる点である。
更に材料メーカーとして他社に先駆けて、高硬度材の加工技術の確立と普及を牽引した功績も認められた。

KD11Sは97年発売以来順調に売上げを伸ばし、充分市場に浸透しているが、今回、塑性加工学会という学術的な見地からもこの研究成果が認められたこととなり、これを機会に同社では更なる拡販に拍車がかかるものと見ている。
また、海外にも2000年より供給を開始しKD11Sファンも増えているが、今回の受賞を機会にKD11Sの東南アジア全域への販売強化を目指す。
尚、社団法人日本塑性加工学会の第39回受賞式は、5月22日 玉川学園で関係者約200名を集めて盛大に行われた。
技術開発賞の受賞にあたり、開発者である 日本高周波の吉田潤二主任研究員が、KD11Sについての公演を行った。

注1)KD11S
KD11Sは冷間金型用鋼として性能はSKD11と変わらず、被削性を驚異的に向上させた金型用鋼である。
金型加工能率、もしくは工具寿命を2倍程度に改善が可能であり、金型製作納期の短縮やコストダウンが期待出来る金型用鋼である。
注2)社団法人日本塑性加工学会の技術開発賞
プレス加工を初めとする各種塑性加工に関与する産学管の研究者で構成される社団法人日本塑性加工学会では、厳正な審査を経て、年一回、優れた加工技術、素材の開発に対し、論文賞、会田技術賞、技術開発賞、功労賞などの賞を贈る。

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